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【レシピ付き】野菜・花・フルーツ!南房総は温暖な気候の恩恵を受けた農産物の宝庫

南房総市は関東の中でも温暖な気候であることから、さまざまな農作物が育てられています。自然の恩恵をたっぷり受けた農作物を使い、料理人が監修する南房総ご当地食材レシピをご紹介します!

目次

ミネラルと食物繊維たっぷりで、自然な甘みの「食用なばな」

食用なばな

 

食用なばなを栽培する株式会社房総スカイファームの神作(かんさく)さん。畑30枚の約9ヘクタールの広大な土地で食用なばなを栽培しています。

食用なばなの収穫時期は黄色の花が咲く前。つぼみを食べるイメージが強いですが、神作さんの食用なばなは芯と葉も食べられるようになっています。ミネラルと食物繊維が豊富で、生で食べてもOK。

食用なばな
株式会社房総スカイファーム代表 神作さん
食用なばな

食用なばなはとても生命力豊かで、収穫した3日後には元通りに生えているのだとか。ワンシーズンで収穫する回数はなんと30回に及ぶことも。広い農地でワンシーズン30回も摘み取るなんて…農家さんの労力に脱帽です。

「茎の甘さを感じてほしい」と神作さん。畑で獲れたての茎をいただきましたが、自然な甘みがあり、お子さまも食べやすいお味でした。

 

近隣の酪農家からもらった堆肥で土づくりを行い、化学肥料を半分以下に減らし、「ちばエコ農産物」(県が環境保全や食の安心安全に配慮した農産物に認証を与える制度)の認証を取得しています。「ちばエコ農産物」の認証を受けるには、化学合成農薬と化学肥料を通常の半分以下に減らして栽培する必要があります。

 

食用なばな
裏には手軽にできるレシピが書かれている

「食用なばなは昔から育てられている農作物がゆえに若者には馴染みがないのでは」と神作さんは危惧しています。幅広い世代に食用なばなを食べてほしいという思いから、パッケージの裏側にはおすすめレシピが書かれています。

食用なばなのおすすめレシピは、パスタと中華風炒め。

菜の花レモンのペペロンチーノ

取材班のNoRiが「食用なばな」と「南房総レモン」で「菜の花レモンペペロンチーノ」を作ってみました!

ポイントは食用なばなを茹ですぎないこと。茹ですぎるとべちゃっとしてしまうので、さっと茹でるのがおすすめです。

レモンの皮は食べる直前にすりおろして散らすと、さわやかな香りが広がります。

 

神作さんの食用なばなは、大手スーパーマーケットチェーンのライフやいなげや、マルエツ、イオン、道の駅富楽里とみやまなどで購入可能です。 もちろん南房総ご当地スーパーODOYA(おどや)でも取り扱っています。
※取り扱っていない店舗もございます。

南房総の自然の恩恵を受けた「カレンデュラ」

 

ベレケの村
「ベレケの村」の五十嵐さんご夫婦と生まれて数か月の第3子

有機栽培でカレンデュラ(キンセンカ)を育てる五十嵐さんご夫婦。青年海外協力隊として中央アジアのキルギスに派遣され、カレンデュラに出会いました。

キルギスではカレンデュラが薬草として日常で取り入れられており、自宅の庭で育てられたり、薬局で売られたりしています。五十嵐さんご夫婦は植物の力を取り入れた生活に魅せられ、「日本でもカレンデュラの魅力を広めたい」と思うように。南房総市がカレンデュラ生産地全国一位だと知り、ご夫婦で移住しました。

ベレケの村

ご夫婦で営む農場「ベレケの村」の「ベレケ」はキルギス語で「恵み」を意味します。「ベレケの村」のカレンデュラの特徴は、なんといっても有機栽培であること。土づくりからこだわり、海藻や近所の牧場の馬糞を堆肥にして、環境の循環を意識しています。

「私たちのお客様はオーガニックにこだわっている方が多く、その気持ちにこれからも応えていきたい」と五十嵐さん。除草剤も用いないので、雑草は手で抜いているそう。なかなかに骨が折れる作業です。

花の鮮やかな発色は、南房総の長い日照時間とほどよい潮風が生み出しているのだとか。

カレンデュラ

 

カレンデュラには、肌の傷を修復やデトックス効果、解熱作用の効果があると言われています。カレンデュラを手軽に試せるのは、ハーブティーです。ゼラニウムとレモングラスと一緒に入れると、香り高く仕上がり、美しい見た目に思わずうっとり。

カレンデュラは食用としても活用できます。パスタやサラダ、ちらし寿司に花びらを散らしてみたり、天ぷらにしてみても!?

カレンデュラ(キンセンカ)
カレンデュラの花が浮いたハーブティー
ベレケの村
CALEN

「ベレケの村」はスキンケアブランド「CALEN(かれん)」を展開しています。カレンデュラのパワーを、安心安全にお届けします。

ご購入やお問い合わせは「ベレケの村」の公式HPをご覧ください。

農林水産大臣賞を受賞した「カーネーション」

カーネーション

南房総市はカーネーションの一大産地でもあります。冬でも比較的暖かく、霜が降りないため、カーネーションの栽培が広がったと言われています。

カーネーション
カーネーション栽培歴45年の三井さん

富浦地区には約40棟の温室ハウスが並ぶ青木カーネーション団地があります。三井さんはカーネーション栽培歴45年のベテランで、カーネーション農家の三和園を経営しています。複数のビニールハウスを所有し、39種類、約90万本のカーネーションを約10名の社員で育てています。

「皆さんが思いつくような色はほとんど栽培しています」と三井さん。種苗会社がさまざまな色のカーネーションを開発しているので、買い取って栽培します。

 

カーネーション
カーネーション

名前は「トレンディテッシノ」「モナリザオレンジ」など可愛らしい

カーネーション
三井さんの長年の功績がさまざまな所で認められている

2023年、一般財団法人日本花普及センターが主催する「第32回花の国づくり共励会花き技術・経営コンクール」で最高賞の農林水産大臣賞を受賞しました。

 

三井さんのカーネーションの特徴は長持ちするところ。冬の場合はなんと1、2か月持つ場合もあるのだとか。

カーネーションを長持ちさせるコツは3つ

  • 直射日光の当たらない涼しい場所に飾ること
  • 風に弱いため、エアコンの風が当たらないようにすること
  • 毎日水を変えて、切り口を少し切って綺麗に保つこと
カーネーション
「ノビオパレット」取材班NoRiの自宅にて

カーネーションのご購入は三和園道の駅おおつの里「花倶楽部」などで可能です。

最高のロケーションが生み出す高品質な「南房総レモン」

南房総レモン

 

レモン栽培約40年の尾形さん

南房総市の丸山地区でレモンを栽培する尾形さん。南房総でレモン栽培をはじめて約40年が経ちます。国産レモンへの注目が高まっていることから、栽培するレモンが「南房総レモン」とブランド化され、注目を集めています。

レモン畑が山の傾斜に広がり、取材した時期はちょうどレモンが鮮やかに実っている頃でした。なだらかな傾斜のため冷気は下に降りるため、レモンの木を栽培しているエリアには農作物の大敵である霜がほとんどおりません。

日当たりもバッチリのロケーション。レモンの木は植えてから実がなるまでに約4年かかり、寿命は約4、50年と言われています。

レモン

 

南房総レモン

「南房総レモン」の出荷シーズンは10月に始まり、2月ごろまで続きます。10、11月は緑色のグリーンレモン、12~2月は黄色のレモンが出荷されます。

 

尾形さんのレモンは「ちばエコ農産物」の認証を受けており、農薬をできるだけ使わないように栽培しています。農薬を減らすと雨や乾燥によりレモンが病にかかりやすくなりますが、人の手による世話をすることで薬に頼らない栽培を可能に。

南房総レモン

そんな低農薬の取り組みや、長年の栽培の功績もあり、尾形さんの「南房総レモン」は高い品質基準をクリアした食材を扱う「生活クラブ東京」でも販売されています。

7つの品種のいちごを食べ比べ!

枇杷倶楽部 苺庭園

 

道の駅とみうら「枇杷倶楽部」は、本館のすぐ近くの「苺庭園」では7種類のいちごを栽培してます。栽培しているいちごは、「紅ほっぺ」「あまおとめ」「星の煌めき」「スターナイト」「恋みのり」「ほしうらら」「白いちご」。

枇杷倶楽部 苺庭園
枇杷倶楽部 苺庭園
白いちごは意外と甘い

1〜5月頭までいちご狩りを開催し、品種ごとの食べ比べができます。

枇杷倶楽部 苺庭園

甘党の吉田は「スターナイト」推し。練乳が無くても、口中に甘さが充満しました。

「スターナイト」の名前は、「夜空(Night)に輝く満天の星のように輝いてほしい」という想いと、「これからのイチゴ戦国時代を騎士(Knight)のように切り開いていってほしい」という想いが込められているそう。関東一星空が綺麗に見られる南房総市と親和性のある名前です。

枇杷倶楽部 苺庭園
枇杷倶楽部 苺庭園

 

実は、取材した時期は悪天候が重なり、農作物への影響を嘆く農家さんが多かったのです。
しかし、「苺庭園」のいちごの栽培は順調。その秘訣は、「酵母菌」だそうです。

砂糖を加えた水に苺をつけると、酵母菌が培養されます。それを水で薄めて、栽培中の苺にまいたところ、悪天候の影響を受けずに美味しい苺が育ったのだとか。

枇杷倶楽部 苺庭園
栽培の心強い味方のイチゴ酵母菌

 

併設する道の駅のカフェで、採れたての苺をつかったスイーツや加工品も楽しめます。

枇杷倶楽部のいちごスイーツ

道の駅とみうら 枇杷倶楽部「苺庭園」

【 料金目安】2,300円(税込)6才以上
時期や曜日、年齢によって異なります。詳しくはホームページまたは枇杷倶楽部にお問い合わせください。
【プラン】食べ放題30分

営業時間:平日 10:00~17:00  土日祝 9:15~17:00
住所:〒299-2416 千葉県南房総市富浦町青木123-1
電話番号:0470-33-4611

新連載!しぶちこ★クッキング

このコーナーでは料理人でもある しぶちこ が、南房総の食材を使用したレシピをご紹介します。

食用なばなを使ったレシピ

食用なばなはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で、その中でもビタミンC(美肌効果や風邪予防効果があるとか)は野菜の中ではトップクラスです。食用なばな料理は、おひたしや天ぷら、肉と炒めるなどありますが、今回は、畑で生で食べさせてもらった味が忘れられずに一品はサラダにしました。また、オリーブオイルとの相性もよいとのことなので、ワイン蒸し(+オリーブオイル)を調理してみました。

菜の花の生の甘さが感じる『菜の花と南房総野菜の生サラダ』

食用なばなを使ったレシピ

材料:食用なばな、生食できる野菜、カッテージチーズ、オリーブオイル、酢、レモン、塩胡椒

  1. 食用なばな、その他の野菜(今回は赤黄パプリカ、辛味大根)を同じ大きさにカット。
  2. ボールなどに全部を入れ、塩胡椒、酢、オリーブオイルを入れ、全体をまぜる。
  3. 皿に盛り、カッテージチーズをちらし、カットレモンを添えました。

南房総の山と海の出会い『菜の花とホンビノス貝の白ワイン蒸し』

食用なばなを使ったレシピ

材料:食用なばな、ホンビノス貝、ニンニク、プチトマト、白ワイン、オリーブオイル

  1. ニンニクを皮を剥き半分に切る。食用なばなを食べやすい大きさに切る。プチトマトのヘタを取る。
  2. 貝の表面の汚れを洗う。
  3. フライパンにオリーブオイル、ニンニクを入れ弱火で加熱し、にんにくの香りを油に移す。
  4. 貝、トマトを入れ中火にし、白ワインを入れ、フライパンに蓋をする。
  5. 貝が開いたら、菜の花を入れ、火が通ったら塩胡椒し、皿に盛り付ける。
  6. レモンを添えて完成。

レモンを使ったレシピ

レモンは、豊富なクエン酸(酸味)で、疲労回復、血行改善に良いと言われますが、料理方法は何かに絞って使ったり、食材をマリネにすることが多いと思います。たくさんレモンが手に入った時は、マーマレード、ジャム、蜂蜜漬けなど、いかがですか?今回は『塩レモン麹』、『レモンポン酢』を作ってみました。

冬に大活躍!フレッシュな酸味の『レモンポン酢』

レモンを使ったレシピ

材料:レモン3個(100cc)、お酢20cc、醤油150cc、日本酒80cc、味醂20cc、出汁パック(昆布、鰹節)

  1. 完成したポン酢を入れる容器を煮沸消毒する。
  2. 日本酒と味醂を鍋に入れアルコールを飛ばし、冷ます。
  3. レモンの皮を剥く(1個分)
  4. ③と2個のレモンを半分に切り、レモン汁を絞る。タネは取り除く。
  5. 容器にレモンの皮、レモン汁、お酢、出汁パック、醤油、②の日本酒と味醂を入れる。
    レモン汁が足りない時は、お酢で調整してください。
  6. 2、3日後に完成。冷蔵庫で1ヶ月ぐらいで使ってください。味は料理によって調整してみてください。
  • 出汁パックは、2日ぐらいで絞って取り出します。
  • カビや変な匂いがしたら捨てましょう。

☆レモンポン酢の使い方
鍋はもちろんですが、餃子、刺身(カツオなど)、肉に大根おろしポン酢として、サラダのドレッシングに。

料理に発酵した旨味を加える『塩レモン麹』

レモンを使ったレシピ

材料:レモン3個、米麹300g、塩120g、水(レモン水と合わせて400cc)

  1. 完成した塩レモン麹を入れる容器を煮沸消毒する。
  2. レモンを半分に切り絞る。タネは取り除く。
  3. 絞ったレモン皮を細かく切る。(有ればフードプロセッサーを使用)
  4. 米麹と塩をよく混ぜる
  5. レモン汁と水を合わせて、400ccにする。
  6. 全ての材料を容器に入れる。もし、水分が足りなければ、材料がヒタヒタになるまで足す。常温で自然発酵させ、1日に一回かき混ぜる。
    ※乾燥麹の場合は、浸るくらい水分を足してください。
  7. 麹が指で潰れるぐらい柔らかくなったら完成。
    冬場は1週間以上、夏場は4〜5日が目安。
  8. 今回私は、発酵したらミキサーにかけて使用します。
  • ヨーグルトメーカーや炊飯器を使って、発酵させる方法もあります。
  • カビや変な匂いがしたら捨てましょう。

☆塩レモン麹の使い方
・肉や魚を調理する前に、下味をつける(特に唐揚げは美味くなります)
・きゅうり、白菜、にんじんなどの漬物をつくる
・スープに入れる。などなど。

まとめ

南房総の気候の恩恵をたっぷり受けた野菜やフルーツ、花たちは、栄養たっぷりだったり、彩り豊かだったり。お近くのスーパーマーケットなどで見かけたら、ぜひ手にとってみてくださいね。

そしてぜひ、南房総にも足を運んでみませんか? 太陽の恵みを受けた新鮮な食材や、美しい花々が広がる風景を、五感で楽しんでいただけたら嬉しいです。

特集:農産物

 

料理人

ライター
しぶちこ
鮮魚店の家に生まれた海鮮グルメ番長。
特技は、まぐろ解体や、鹿、猪も^^

ライター紹介

ライター
吉田櫻子
フリーランスのライター・ディレクター。アパレル店店長と副業ライターを経て、独立。大手人材会社の社員紹介ページやSDGs系のメディアなど幅広く手がける。