「魚を丸ごと買ってみたいけど、さばくのが面倒くさそう…。」と思っていませんか?
実はそんなことないんです。コツさえつかめてしまえば、家で簡単にさばけます。
編集部の しぶちこ は鮮魚店の家系に生まれ、約10年間定期的に魚を調理するイベントを開催してきました。イベントは大人気で毎回満員御礼。
2025年1月某日に料理教室「南房総の魚を調理して、食べ切るまで帰れまセン!w」を築地で開催しました。
今回は、イベントの様子やアジ・サバ・イナダ・タイの捌き方をご紹介します。普段の料理でお役立てください。
目次
南房総ではどんな魚が獲れるの?
南房総の外房には千倉漁港や和田漁港などで定置網漁があり、毎日さまざまな種類の魚が水揚げされます。
- アジ、サバ、イワシなどの青魚
- イナダ、ヒラメ、タイなどの白身魚
- アワビ、サザエ、伊勢エビなどの貝類や甲殻類(素潜りやエビ網漁)
漁港直営の鮮魚店や近くの道の駅には、獲れたての魚が並びます。
地元の人が鮮魚を求めて行列ができることは日常茶飯事。南房総では獲れたての魚が生活の一部になっています。
【イベントレポート】子どもも大人も魚さばきに夢中!
そんな南房総の魚を使って、編集部の しぶちこ(写真右)が、東京の台所である築地で料理教室を開催しました。今回は大人と子ども合わせて20名ほどが参加。魚さばきは初体験という方もちらほら。
まずは、しぶちこによる魚のさばき方のレクチャーが始まります。この日は、南房総で前日に水揚げされたばかりのアジ・サバ・イナダ・タイをさばいていきます。
ツヤとハリがあって、美しい!
ブリは脂がたっぷり乗っています。キュッキュッと手ごたえを感じながら、切っていきます。
魚大好きなしぶちこはお魚の知識が豊富で、話し出すと止まりません(笑)。魚にまつわる雑学を交えて、和やかな雰囲気の中でさばき方をレクチャーしていきます。
ここで豆知識。魚がまな板や皿の上で、左向きになっていることが多いのはなぜでしょう?
正解は、
日本の伝統的な考え方である「左上位」や「左優位」が由来になっているから。また、右利きの人が多い日本では、魚の頭が左向きだと右手でお箸を持って食べやすいという習慣もあります。
改めて、参加者の調理がスタート!
はじめての魚さばきを体験する子どもたちは、没頭している様子。
お母さんとお姉さんが心配そうに見守っていますが、
息子さんは器用に魚を捌いてます。
南房総市から参加の男の子は、包丁2本でリズム良く、アジの”なめろう”を作っています。
だんだんと、部屋に料理のよい香りが漂ってきました。
料理の完成!
今回はアジの刺身、なめろう・イナダの刺身、カルパッチョ・イナダアラの煮付け・サバの照り焼きを作りました。
自分でさばいた魚は、格別では?
「どれも獲れたて新鮮で、身がプリプリしていて美味しい!」
イベント恒例、新鮮な魚の部位をかけたジャンケン大会を開催。大人もついつい本気になっていました(笑)
じゃんけんに勝ち抜いた方、おめでとうございます!
調理しながら魚について学べる大満足のイベントでした。
【家でもできる】魚のさばき方
ここでは、料理教室でレクチャーした「魚の種類ごとのさばき方」をご紹介します。
調理を始める前に、安全に魚をさばくための前情報を。
①定期的に、まな板の水分をキッチンペーパーで拭き取る
まな板の上で魚をさばいていると、水分や血でまな板が濡れてきます。すると、魚が滑りやすくなり、思わぬ怪我に繋がることも。また濡れたままにすると菌が繁殖しやすくなります。定期的にキッチンペーパーでまな板の水分を拭き、できるだけ乾いた状態にしましょう。
②包丁の置き方に気をつける
包丁をまな板の上の方に置く際は、刃を自分と反対側に向けるようにしましょう。そうすることで手が滑って包丁に触れても背に当たるので、手を切ることはありません。
魚の種類ごとのさばき方を動画にまとめました
イベントでご紹介した、魚の種類ごとのさばき方を動画にまとめました。
アジのさばき方
1.鯵の捌き方
2.鯵の開き
3.鯵の姿造り
サバのさばき方
イナダのさばき方
タイのさばき方
注意事項
- 魚屋さんで購入した魚は、水道水で洗いましょう。(海水の腸炎ビブリオ対策です)
- 魚にはアニサキスや他の寄生虫がいる場合があります。よく見て取り除きましょう。
(または、加熱して食べるか、2日間冷凍するとアニサキスは死にます) - 包丁は切れる方が美味しい刺身ができますが、くれぐれも注意してください。
南房総の新鮮な魚が買えるお店
漁港直営の鮮魚店や近くの道の駅には、獲れたての魚が並びます。
まとめ
現代は家で魚をさばかなくても、すでにさばいてある魚を店舗で買ったり、もっと言うなれば魚を食べなくても他の食材で満足したりすることもできます。
そんな飽食の時代に、「家で魚をさばいて食べること」はとても豊かな時間だと今回感じました。数時間前まで海で泳いでいた魚を自分の手でさばくと、「生命をいただいている」という実感がわきます。
魚をさばいている時間は、手を切らないように集中し、瞑想に近い感じも。
獲れたての魚が手に入る南房総市の道の駅や鮮魚店で購入して、動画を参考にさばいてみてくださいね。
料理人
- しぶちこ
- 鮮魚店の家に生まれた海鮮グルメ番長。
特技は、まぐろ解体や、鹿、猪も^^
ライター紹介
- 吉田櫻子
- フリーランスのライター・ディレクター。アパレル店店長と副業ライターを経て、独立。大手人材会社の社員紹介ページやSDGs系のメディアなど幅広く手がける。