千葉県は日本一海水浴場が多く、そのなかでも南房総市は海水浴場が一番多く存在します。穏やかな波で子ども連れも楽しめるところから、サーフィンを楽しめるところまで個性豊かな海水浴場がたくさん。
キャンプができたり、富士山が見られたりする場所も。目的に合わせて、最適な海水浴場を選んでください!
目次
キャンプ場が隣接している「根本海岸」
白い砂浜と透明度の高い水質が特徴の根本海水浴場。「根本マリンキャンプ場」が併設され、夏場は敷地内に観光客のテントが点在します。シュノーケリングや磯遊びができる岩場もあり、遊泳期間中はライフセーバーの監視もあるため、子ども連れも安心して遊べます。
砂浜は素足で歩けるほどサラサラで、大島をはじめとする伊豆七島を一望できる絶好のロケーションが広がります。
海岸に打ち上げられた漂着物を収集の対象にしたり観察したりする「ビーチコーミング」にも最適な場所です。
根本海岸の西端には、屏風を立てたような奇岩群が見られます。泥岩と砂岩の互層の隆起と波の浸食によってできたもので、地学的にも貴重なものです。
根本海岸の魅力を管理する並木さんにお伺いしました
Q.ずばり、根本海岸の魅力を教えてください。
何より水質の透明度が高いところです。地理的に尖っている海岸で、湾になっていないので、海流が流れやすく透明度が高いのです。海でシュノーケリングもできますし、岩場もあるので磯遊びで魚を観察することができます。
定期的に地域住民を中心にビーチクリーニングをしているので、ごみもほとんど落ちていません。浮き輪や釣り糸、ペットボトルなどの漂流物が流れつきます。多いときで100名ほどのボランティアが参加して、ごみ拾いをするので綺麗に保てているのです。
遊泳期間中の朝8時半から16時半までは、信頼のおけるライフセーバーが見守っているので、子ども連れも安心だと思います。
Q.海岸ではめずらしいキャンプ場が併設されていますね。
根本海岸は、テントを張って、泊まれるキャンプ場です。長い方だと1,2週間泊まることも。
設備は水道・シャワー・トイレがあり、場所の予約は承っておらず、基本的には空いている好きな場所にテントを張ることができます。
いい意味で何もなく、海の音をテントの中で聞いたり、ぼーと海を見たりする時間は、都会では味わえない格別な時間でしょう。30、40年と長い間、根本海岸に通われている方も多くいらっしゃいます。
たまに近隣で飼っている馬に乗って、海岸に現れる人も。馬の入場も自由です(笑)。
遠浅で子ども連れも安心「岩井海岸」
遠浅で、波が静かな「岩井海岸」。約2kmにわたり弓なりに砂浜が続いてます。
遊泳期間中はライフセーバーの監視があり、水上バイクが禁止されているため、子どもが安心して遊べます。
穏やかで、広々していて、すごく いい海岸です。
岩井海岸のライフセーバー 西山さん
岩井海岸のライフセーバーとして約20年携わっている西山さんに、岩井海岸への思いや魅力を教えていただきました。
Q.岩井海岸の魅力は何でしょうか?
海岸が広く、波も穏やかなので子ども連れが安心して遊べる場所だと思います。子どもの海デビューにもってこいの場所かと。
また、多くの学校が臨海実習先として岩井海岸を選んでいます。監視船をつけながら遠泳をしたり、ボディボード体験をしたりしています。波が穏やかなので泳ぎやすいのです。8月頃は大学生のサークル活動でよく利用されています。
水上ジェットは禁止されていますが、サーフィンやSUPはできます。外房の海は波が大きいですが、内房に位置する岩井海岸は波が穏やか。サーファー初心者にもおすすめの海岸です。
Q.ライフセーバーはどんなお仕事をしているのでしょうか?
ライフセーバーの仕事は海水浴場での事故を未然に防ぎ、安全安心を提供することが基本姿勢です。未然に事故を防ぎ、万が一の事故も想定し、対応できるようにオフシーズンも訓練をしています。
Q.西山さんは、どのような経緯で携わり始めたのですか?
日本体育大学のライフセービング部に所属したのがきっかけです。日本体育大学が管轄する海水浴場がいくつかあったのですが、私は岩井海岸を希望して配属になりました。
大学卒業後は高校の教員をしながら、岩井海岸のライフセーバーを継続。2024年春に教員を辞め、別の仕事をしながらライフセーバーに従事しています。
Q.現在は岩井の住民でもある西山さんが感じる、岩井地区の魅力は何でしょうか?
地元の方の温かさです。ライフセーバーを認知してくれて、「夏はライフセーバーであるあなたたちが主役だよ」と声をかけてくださることもあります。大学生のライフセーバーも受け入れてくださり、ありがたい限りです。
地域住民の方と日体大の先輩たちが築き上げてくれた信頼関係をこれからも継承していきたいと思います。
海の家「三栄」オーナー 井坂さん
続いて、岩井海岸にある海の家「三栄」で30年以上オーナーを務める井坂さんにもお話をお伺いしました。
Q.海の家「三栄」の魅力は何でしょうか?
昔ながらの風情ある外観と内観が、地元の方たちを中心に喜ばれています。流行りの海の家のようにデッキを作ったり、装飾したりすることも考えたのですが、多くの方から昔ながらのスタイルを続けてほしいと要望があったんです。
レトロな雰囲気のなかでラーメンを食べたり、座敷に子どもを寝かしつけられたりするのが良いのでしょうね。
Q.岩井海岸の魅力は何だと思いますか?
海岸からは富士山が見え、日の入りの時間には日が富士山の近くに沈んでいき、とても美しい風景が見られます。夏の初めの頃は富士山の右側に、夏の終わりには富士山の左側に沈んでいきます。富士山の頂上に日が落ちる「ダイヤモンド富士」が見られる時もありますよ。
また、信頼できるライフセーバーが監視していることです。日体大のライフセービング部と関係者に依頼して、20年以上が経ちます。ライフセーバーたちは、遊泳期間外や仕事終わりの後にも訓練を行っています。そのため、子ども連れは安心して遊ぶことができるでしょう。私が知っている限りでは、ここ数十年で重大な事故は起きていません。
Q.岩井海岸のライフセーバーたちに信頼を置いているのが伝わってきます。
日体大のライフセービング部のメンバーのなかには、在学中に岩井海岸でライフセーバーとして携わり、卒業後も岩井海岸に通い続けてくれる人もいます。
「東京生まれて育ったので、自分にとっての田舎は岩井です。毎年の夏休みは岩井に帰ります」と言ってくれる人もいて、嬉しいですね。
流行りのビーチのような派手さは岩井海岸にはありませんが、とても良い海岸だと私は思っています。
その他の個性豊かな南房総の海水浴場
外房:青い海と白い砂浜が美しい「千倉海岸」
南千倉海水浴場から瀬戸浜海水浴場にかけて約2kmの砂浜が続く、青い海と白い砂浜が美しい海岸。
年間を通じてサーフィンを楽しむ人も多く、南国気分も満喫できる。
外房:波静かでおだやかな「塩浦海岸」
白浜町の東側に位置する塩浦海水浴場は、入江になっているため波静かでおだやかな海岸。
磯遊びなどが楽しめます。
外房:磯遊びも楽しめる「和田浦海岸」
透明度の高い水質、貝殻まじりの白い砂浜が特徴で「日本海水浴場百選」に認定されたビーチ。
潮が引くと磯遊びもできて家族で楽しめます。
内房:波静かな入江の子どもにもやさしい「豊岡海岸」
富浦町の波静かな入江にある豊岡海水浴場は、子どもにもやさしい海岸で、砂浜と岩場での遊びも楽しめます。交通アクセスも便利な場所。
内房:法華崎
豊岡海岸から南無谷海岸にかけての岩礁や小島がある「法華崎」。日蓮聖人が鎌倉渡海の際、ここで法華経を唱えたことに由来すると言われています。東京湾を望みながら遊歩道を散策できます。
内房:原岡桟橋が撮影人気スポット「原岡海岸」
波が静かで遠浅のきれいな砂浜と、三拍子そろった海水浴場。古くから人気のある富浦町海水浴場のメインビーチです。
原岡桟橋は、おだやかな海に伸びる木製の桟橋で、富士山やタ陽の眺めもよく人気のスポット。映画やテレビドラマの撮影場所にも使われています。
原岡桟橋の詳しい情報はこちらの記事をご覧ください。
まとめ
南房総 海マップ
南房総のお出かけに便利な地図を作りました。
海水浴場の場所はここでチェック!
海を楽しむローカルガイド
海で楽しめるアクティビティは、こちらの記事でご紹介しています。
文:吉田櫻子