南房総市には、絶景スポットが点在しています。自然に囲まれた絶景スポットは、家族や友人、恋人との旅行で思い出になること間違いなし。今回はそんな中から、白浜と富浦の2つの絶景スポットの魅力をお届けします。日本で2か所しか体験できない馬車も走っていますよ。
目次
千葉県最南端から絶景が見られる「野島埼灯台」
「野島埼灯台」は、房総半島の最南端の岬に立つ、八角形の真っ白な佇まいが印象的な灯台です。高さは24mあり、灯台の中は螺旋状の階段で、誰でも展望台に上ることができます。展望台は灯台の周りをぐるっと回遊でき、開放感満載。国定公園の「野島崎公園」の岩礁が見渡せ、伊豆半島や伊豆大島、晴れている時は180km先の八丈島まで見られます。
併設されている灯台資料展示室「きらりん館」では、貴重な資料や体験コーナーで建造の歴史や灯台の仕組みを紹介しています。
「野島埼灯台」は1866年(慶応2年)にアメリカ、イギリス、フランス、オランダの四ヶ国と結んだ 「江戸条約」によって建設を約束された8つの灯台の1つです。明治2年日本で2番目に点灯しましたが、残念ながら関東大震災で倒壊。現在の灯台は1925年(大正14年)に復旧されたものです。1954年(昭和29年)に、市民の灯台に登ってみたいという声に応え、観光客向けに灯台が解放されました。
野島埼灯台
営業時間:10月1日~4月30日 9:00~16:00 5月1日~9月30日 9:00~16:30
住所:〒295-0102 千葉県南房総市白浜町白浜630
電話:0470-38-3231
朝日・夕日・星空が満喫できる「星見のベンチ」
灯台のふもとにある「野島崎公園」の岩場には、房総半島最南端ベンチ「星見のベンチ」が設置されています。千葉県で唯一朝日と夕日が見られる岬で、いつ来ても絶景が見られます。昼は開放感あふれる真っ青な太平洋と空、夕方はノスタルジーたっぷりの夕暮れ、夜は満点の星空。
「星見のベンチ」は「カップルで座ると幸せになる」とも言われています。岩場に設置され、滑りやすいので歩きやすい靴で行くのがおすすめです。
星見のベンチ/房総半島最南端ベンチ
〒295-0102 千葉県南房総市白浜町白浜630
馬車に乗車できる「白浜牧場」
野島埼灯台の近くの「白浜牧場」(旧:菜の花牧場)で馬車に乗れます。白浜牧場から野島埼灯台の往復1時間、海沿いの公道を馬車で走ります。日本で馬車に乗れるのは、南房総市と大分県・湯布院だけなのだとか。馬の心地よいリズムに揺られながら、海風を感じれば、癒されること間違いないです。
「白浜牧場」には3頭の馬がおり、名前はそれぞれエルフ、ミズキ(エルフの妹)、サク。この日はエルフが馬車を引いてくれました。エルフはフリージアン・ホースという品種で、つややかな漆黒の毛と、長いたてがみと尾、引き締まった筋肉が特徴。実際に見れば、その雄大さに驚くでしょう。
「白浜牧場」で地域おこし協力隊として働く山住(やまずみ)さんによると、馬は人のコミュニケーション力を鍛えてくれる動物だと言います。特にコミュニケーションに苦手意識を持っている人に効果絶大なのだとか。なぜなら、馬は正直な生き物で、人間が安心感を持って接すれば親しみのある反応をしてくれますが、一方で恐れや怒りの感情を持って接すればネガティブな反応を示してくれるからです。「人間どうしのコミュニケーションでは感情を隠せてしまうのですが、馬は正直に感情を教えてくれます。私は元々人と話すのが苦手でしたが、馬と接することで観察力が身につき、人とのコミュニケーションが上手くなってきました」と山住さんは語ります。
元々、「白浜牧場」では発達障害で生きづらさを感じながら生活をしているお子様向けにホースセラピーを行っていました。現在ホースセラピーは休止中ですが、馬車とホースセラピーをつなげた地域おこし事業を構想中です。山住さんに今後の展望をお伺いすると、「子どもたちにホースセラピーを通して馬に親しみを持ってもらっても、現在の日本では馬に関係する仕事は少ない状態です。そこで馬車をはじめとする馬にまつわるサービスを展開すれば、馬に関心を寄せてくれた子どもたちの就職先にもなります。公道では馬が闊歩していて、畑には馬が佇んでいる、そんな光景を南房総市で実現したいですね」と語ってくれました。
白浜牧場(旧:菜の花牧場)
住所:〒295-0103 千葉県南房総市白浜町滝口6761-2
電話番号:0470-29-5991
※土日は定期運行しています。
〈土日の定期運行時刻〉白浜フローラルホール前から野島埼灯台までを馬車で往復
9:30〜/10:30〜/14:30〜/15:30〜
〈料金〉:大人2200円/小学生1200円/膝に乗せられる幼児は無料 ※平日は予約が必要です。https://shirahamabokujou.comからお問い合わせください。
ノスタルジックな雰囲気漂う「原岡桟橋」
「原岡桟橋」は原岡海岸〜多田良北浜海岸間にある富浦湾に突き出した桟橋で、趣のある風景を眺められるスポットです。全国でも数少ないこの木製の海桟橋は、1921年(大正10年)に漁業用として整備され、アジやサバの水揚げが行われていました。
桟橋からは三浦半島や伊豆方面を見渡すことができ、天気が良ければ、海の向こうに富士山が見られます。夕焼けと富士山のシルエットのコラボレーションが美しく、眺めに来る人々がたくさんいます。静寂に包まれる早朝や夜の桟橋も魅力的です。景色を楽しみながら桟橋で海釣りをしても良いでしょう。
「原岡桟橋」が観光スポットになったのは、地域の住人がボランティアで掃除に取り組んだおかげです。近くの川から流れ着いたごみや、台風で飛ばされてきた瓦礫を片付けるところから、桟橋の整備が始まりました。時には学生の手を借りながらベンチや花壇を整備。今ではベンチは、景色を見る特等席になっています。掃除や整備のおかげで2015年頃から、観光客が増えはじめ、テレビや映画のロケ地としても使われるようになりました。
周辺には波が静かで砂浜がきれいな「原岡海水浴場」があり、夏は海水浴を楽しんだ後に、原岡桟橋に移動し夕暮れの絶景に浸るのがおすすめです。
原岡桟橋
住所:〒299-2403 千葉県南房総市富浦町原岡地先
※桟橋近くに駐車場があります。「道の駅とみうら 枇杷倶楽部」で駐車することも可能です(徒歩15分)。
「原岡桟橋」近くの「道の駅とみうら 枇杷倶楽部」でちょっと一息
「原岡桟橋」の近くには、南房総の魅力が詰まった「道の駅とみうら 枇杷倶楽部」があります。
南房総は枇杷の日本二大産地のひとつとして知られており、房州枇杷を使ったオリジナル商品が並びます。人気はテイクアウトコーナーの「びわソフト」。原料に房州枇杷を使用し、ほのかな枇杷の香りが特徴です。
スタッフのイチオシは、 「びわパフェ」。
「びわソフト」に房州枇杷のシロップ漬けが乗せてあり、さらに下には「びわシャーベット」が入っています。枇杷の味わいを存分に楽しめるでしょう。「千葉県庁職員が選ぶ!“他県の人におすすめ”したい千葉県グルメ~道の駅スイーツ編~」で第1位に輝きました!
カフェレストランでは「びわカレー」やパスタ、コーヒーなどを提供しています。一年中花が咲き誇るガーデンテラスに癒されながら、旅の一息をついてはいかがでしょうか。
道の駅とみうら 枇杷倶楽部
営業時間:平日 10:00~17:00 土日祝 9:15~17:00
住所:〒299-2416 千葉県南房総市富浦町青木123-1
電話番号:0470-33-4611
「浜の台所 おさかな倶楽部」で鮮魚を味わう
「原岡桟橋」から車で5分の距離に南房総で獲れた海鮮が食べられる「浜の台所 おさかな倶楽部」があります。岩井富浦漁協直営で水揚げされたばかりの新鮮な魚を使った刺身や揚げ物、煮付けなど、ボリューム満点の定食を楽しめます。
メニューの一部。一つの定食に複数の料理が付き、ボリューム満点。
メニューは水揚げされた魚により異なるので日替わりです。まんぷく定食、富浦漁師賄い丼、天丼などが定番。イタチウオやオジサンなど珍しい魚を仕入れる時もあり、少数限定で提供することもあります。
売り切れ次第終了で、人気のメニューは売り切れてしまうので、早めの時間に行くのがおすすめです。
浜の台所 おさかな倶楽部
営業時間: 11:00~15:00(売り切れ次第終了)
住所:〒299-2404 南房総市富浦町多々良1254-75
電話番号:0470-33-2512
まとめ
絶景スポットは朝・昼・夜それぞれの表情を持っているため、違う時間帯で同じスポットに出かけてみるのも楽しみ方の一つでしょう。都会の喧騒を忘れさせてくれる絶景を堪能してください。
文:吉田櫻子