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南房総 旅の玉手箱

第9回 グラスフィッシュ


グラスアーティスト・大場匠氏
 「ガラスの組成は、液体です」。千倉の吹きガラス作家・大場匠氏はいう。周りが海の南房総、うおは水を行くもの、そんな発想から工房名をグラスフィッシュにした。ガラス工芸というとイタリアのベネチア・グラスのような装飾的で繊細なものが頭に浮かぶが、大場さんは北欧のガラス工芸に触発されるという。北の海の深い水をそのまま持ちあげたような表現である。

 大場さんの作品シリーズに「ジェリー・フィッシュ」と名づけたものがある。足付の皿は、透明で不定形なクラゲを広げたような形をしている。ヒラメの刺身を盛ったり、もぎたてのオレンジをのせると、そのまんまアート、という感じ。氏がめざしているのは、「日本のガラス工芸」の世界である。たとえば和菓子のイメージ。くずでつくったとろりとしたもの、日本のなつかしい色に銀粉がほどこしてある・・・。
 工芸としてのガラスは、歴史が浅い。もともとガラスは、工業製品と見られていた。個人の作家が工房としての炉をもつ「グラス・スタジオ」というシステムは、近年100年ぐらいのこと。大場さんは自力で工房のガラス炉をつくった。苦手な数学のサイン、コサイン、タンジェントから勉強をし設計した。出来上がった大場式炉は、とても高性能で、若いガラス作家たちに隠すことなく公開している。

 南房総千倉に工房を開いて5年。かつて、物づくりのまち金沢でガラス工芸を学んだが、その時、自分の根にあった表現が、南総の光をあびて徐々に芽吹こうとしている。温かい気候のせいか昔から“房州の男はあばらが一本たりない”といわれるが、大場さんは肋が1本も2本も多いぞ、といわれるクオリティの高い作品を発信していきたいという。
 グラスフィッシュでは、一般の人も吹きガラスの体験作品がつくれる。そんなお客さんの一人と意気投合したのがきっかけで、毎夏、千倉漁港で「サンバフェスティバル・イン・チクラ」を催している。サンバのプロダンサーと乗り乗りに踊り、熱帯屋台村で海の幸と生ビールを楽しむ。地元のエビ網漁師さんなどの全面協力で、1000人を越える人たちでにぎわうのだ。

自力でつくった高性能ガラス炉

体験でガラス作品もつくれる

ガラス工房・グラスフィッシュ


サンバフィスティバル・イン・チクラ

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