第11回 富浦の夢人島
「私が大房に入ったのは、戦後中学生の頃です。それまでは軍事施設として一般には閉ざされていました」と話すのは、大房岬の 大房岬から望む周囲100メートル程のおむすび形の小島が 「今の世の中、何か人のためになることをしてみたい。社会から認証されたいと考えている人は多いと思いますよ」。鈴木さんは南房総の「語り部」の養成に力を注いでいる。地元の主婦などが観光客や子供たちに大房岬などをガイドする。鈴木さんのガイド養成講座上級コースを終了した「語り部」は15人を越え る。鈴木さんは教える、「歌は語れ、語りは歌え」、単調な解説は素人まるだし。 内容を伝えることは目的だが、旋律やリズムの変化、情緒的な響きを加えて語るのがプロのわざ。民話は語るもの、専門的な解説調は見当違い。 地域は夢見る人がいて、ドラマチックに語る人がいて、単なる無人島も、夢人島に変わる。大房岬はまだまだ面白くなっていく。 追伸、鈴木さんはいまサンゴアロエの増殖に成功し、普及に努めている。サンゴ色の花、バラの花びら状に開いた葉、すぐれた薬効と、サンゴアロエはまさに“アロエの女王”なのだ。
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