南房総 旅の玉手箱

第15回 海猫堂主人


潮風王国・海猫堂店内

 外から訪れる人は、南房総、とひとくくりに呼ぶが、半島の中に暮らすと地域により固有の色があることに気づく。海猫堂主人いわく、南房総の中でも民族色の濃いのが千倉で、とてもエスニックな土地であると。浜で聞く大声の漁師言葉は、都会の人には通じないし、ケンカしているのかと勘違いをする人もいる。「なめろう」や「水なます」など魚の食べ方も独特である。千倉の道の駅・潮風王国は、魚中心の物産センターで、館内のにはサメなどが泳いでいる。海猫堂は、生け簀と同居したアートギャラリー&ショップである。主人はこのミスマッチがアート的(?) というが、もともと猫は魚がきらいではないはずだ。

 海猫堂主人こと山口マオさんは、あの「マオ猫」キャラクターのイラストレーターである。1958年千倉で生まれ、木登り、積み木、お絵かきの大好きな子供として育った。東京造形大学絵画科に学び、‘80年代後半からイラスト作家としてブレイクし始める。当時渋谷にあった若者に人気の雑貨店「宇宙百貨」のイラストレーター・グッズに「マオ猫」が登場。文具、グラス、マグカップ、トートバッグなどが、キッチュな(と当時は呼んでいた)少女たちの間で奪い合いになった。
 さらに山口マオのイラストレーションの世界は広がる。テレビCM、週刊誌、絵本、単行本の仕事など多忙をきわめる日々が続く。
 20年間の東京生活に終止符を打ったのは、子育ては田舎で、と考えていたことと、イラストレーターやアーチストとしての発信を千倉からできないものかと考えたからである。

 実家のある千倉に戻ってかれこれ10年になる。海猫堂は、マオ猫やワニワニをキャラクターとしたグッズなどを置くとともに、地元のアート作家のミニ・ギャラリーにもなっている。カレンダーに○印をつけていただきたいのが、毎年4月の最後の土日。陽光まばゆい潮風王国の広場で人気のアート・フリーマーケットが開かれる。7年前マオさんがプロデュースして始めたアーティストたちによる手作り品市場である。ガラス工芸、アクセサリー、陶芸、草木染、木彫、天然酵母パン、無農薬野菜、ライブペインティング、整体、占いなどなど。千倉をもっと楽しみたい方は、海猫堂に立ち寄り「千倉周辺マオ・マップ」をもらうと良い。マオさんの独断偏見的周遊地図ではあるが・・・。


南房総千倉の潮風王国


アワ・ビエンナーレ出展
ダンボールで作ったワニワニ。

千倉からアートの発信をつづける山口マオ氏


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