第19回
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今年(平成17年)の早春に、南房総市池ノ内、里道の突き当たりに「DEW」という名の工房ショップがオープンした。小窓から新緑がのぞく気持ちよい空間に、一点ものの家具類と
家具職人・今井
茂淑さんの転機は30歳。喰うための技術を身につけるために家具職人をめざした。今井家は代々、信州諏訪神社の宮大工であった。やはり血は
京子さんは10代の後半ごろから、いつかは田舎暮らし、田園生活にあこがれていたというから歴史は長い。娘さんが高校3年になったとき“よっしゃ”という感じで田舎暮らしにギアを入れた。娘さんも応援してくれたそうだ。世田谷のお店、府中の家具工房、武蔵小金井の自宅、すべてを引き払い、南総への「引越し大作戦」を展開し、いまだ続いている。
4月、「DEW」の周りは山菜がいっぱい。フキ、セリ、ノビル、タラノメ、サンショウなど。たそがれどき、2人で野道を歩いていると、近所の人が畑からにこにこ。これ持っていきなさいと、ダイコンやウコンの根などをくれるという。
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